今、千鶴と2人きりで部屋に居る。

 

他の新撰組が、仕事で出て行き、千鶴を1人にするのが危ないから。

 

だから、俺は千鶴の傍に居る。

 

誰が残るかと話し合った時に、俺はすぐに、千鶴の傍にいると意見を伝えた。

 

他のものは、見回りに行っている。

 

千鶴は、風間から狙われていると、先日分かった。

 

……心細そうにしている千鶴を見るのは、俺も嫌だ。

 

 

「……千鶴」

 

「は、はい。何ですか、斉藤さん?」

 

 

緊張したように、俺を見つめる目。

 

俺が、守らなければいけない。

 

……もう、千鶴の泣く顔を見たくない。

 

 

「あの…」

 

 

千鶴は俺の横へと、腰をおろして座った。

…千鶴が好きだ。

 

今、ようやく分かった気がする。

 

 

「…俺が守る」

 

「え?」

 

 

聞き返す千鶴に、もう一度答える。

 

 

「心配するな。…俺が守るから」

 

「……はい」

 

 

嬉しそうに、俺に微笑むその顔が愛しい。

 

怖い思いは、二度とさせない。

 

そう、何度も何度も、願った。

 

 

「……有難う、御座います」

「ん?」

 

「いえ、何も言わなくても…斉藤さんの事なら、分かる気がして」

 

「……そうか」

 

 

静かな沈黙。

 

月影が流れてゆく、この美しい夜。

 

貴方の優しい沈黙が、心に染みる。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう少しだけ、このままで。

 

 

 

 

 

 

貴方の優しさを、もっと知りたい。