相手を愛しく想う事?
守りたいと想う事?
………この手で、殺したいと想う事?
僕は、まだそれがよく分からない。
千鶴を大切にしたいと思っているのに、守りたいと思っているのに……
心の何処かで、この手で殺したいと願っている。
誰にも触らせたくない。
誰にも見せたくない。
僕だけのモノにしたい。
……僕だけの、千鶴に。
(……駄目だ)
殺したい殺したい殺したい。
(………駄目、だ)
矛盾した気持が溢れるのを止められない。
分からない、分からないんだ……
どうしたら、千鶴は…
「沖田さーん?」
ハッとして、我に帰ると、そこには千鶴が居た。
……そういえば、二人で話ている途中だった。
「どうしたんですか?沖田さん、苦しそうでしたけど…」
気分でも、悪いんですかとたずねてくる千鶴。
大丈夫だと言っても、まだ心配そうに様子を伺ってくる。
(…僕は、君に心配して貰えるような人じゃない。)
思って、すぐに間違いに気付いた。
(……ああ)
もう僕は人では無かったのだった。
…側にいられるはずが、無かったんだ。
それなら、せめて、
愛おしい君へ…
君を想って、艶やかに死にたい。