いつからだろうか、君を目で追うようになったのは。
いつからだろうか、君の事を知りたいと思うようになったのは
…いつからだろうか、君の事を好きになったのは。
「…沖田さーん?」
「ぇ、あ、何?」
愛しくて愛しくて愛しくて。
そんな千鶴が、僕に優しく呼びかける。
抱きしめたい。
口づけたい。
殺したい。
(…我ながら、歪んでるなぁ)
千鶴を殺して、自分も死にたい。
そうすれば、千鶴は自分だけのモノだから。
誰にも、邪魔されないから。
誰にも……奪われないから。
(……もし奪われたら)
千鶴は、僕の全て。
奪われたら、生きてはいけない。
だったら、いっそ……
(…殺して、しまおうか)
殺したいほどに愛しい。
「…沖田さん、本当にどうかしたんですか?」
「あ、なんでもないよ。ちょっと考え事、していただけ」
「そうなんですか…?な、悩み事だったら、私相談に乗りますよ?」
優しい優しい、君。
なんでそんなに、君は僕に優しいの?
「……じゃあ、相談に乗って貰おうかなぁ」
軽い口調でそう言っても、千鶴は真剣に僕の話を聞いてくれる。
可愛いね、大好きだよ、千鶴。
「はいっ。なんでも相談して下さい」
そうやって、真っ直ぐに僕を見つめてきて。
本当に、なんて愛おしいんだろう。
「……好きな人が、居るんだ」
「…………え?」
ほら、なんでそんなに悲しい顔をするの。
それは、僕に気があるって…自惚れてもいいって事?
「好きな人、ですか…ど、どんな人ですか?」
明らかに動揺した声。
微かに震えている体。
…抱きしめたい。
「明るくて、優しくて……俺の事、真剣に考えてくれるんだ」
「そ、そうなんですか…告白とか、しないんですか?」
その言葉に、僕は悪戯に囁く。
「…じゃあ、しよっかな」
それも、今、目の前で。
君を驚かせたら、どんな顔で怒ってくれるだろう?
「私は何も出来ないけど…が、頑張って下さいっ…」
涙声になりながらも、そう伝えてくる千鶴。
可愛い、…可愛い。
「…好き」
「………ぇ?」
「好き」
「お、沖田…さん?」
次の瞬間、俺は千鶴を腕の中へ引き寄せた。
小さくて、すっぽりと腕の中に納まる千鶴が、愛しくてしょうがない。
「好き。好き…大好き。愛してる」
「う、嘘…」
言葉を遮るように、俺は千鶴の唇を塞いだ。
真っ赤になる千鶴が、可愛い。
「………ねぇ、千鶴」
このまま襲ってもいい?
奪い去りたいんだ、全部。